「メタバースでSEL教育」行う不登校支援、発達特性がある子も参加しやすい・・・東京学芸大との共同研究で"社会情動的スキル"の傾向や変化を検証
共同研究を担当する同大学教育インキュベーション推進機構准教授の荻上健太郎氏も、「SEL教育もメタバースなどの先端技術の活用も、研究よりも現場での実践が先行する傾向がある。現場の手応えをアカデミックな観点から裏付ける役割を大学が担うべきだと考えた」と述べ、こう続ける。
「本学でも、通常の授業や特別支援学校での教育活動においてメタバースの活用やSELを進めており、教育インキュベーション推進機構ではこれらの新しい手法の社会での活用について『横串を刺す』立場から研究しています。今回の共同研究は、そうしたわれわれの機能も生かしながら行政と連携するなど、より広がりのある取り組みへと発展させる可能性も探っていきたいと考えています」(荻上氏)
夢中カレッジは発達特性がある子どもも利用しておりその割合は63%に上るが、「メタバースを活用した学びの場を子どもたちがどのように感じているのか」といったことが共同研究によって見えてきたという。
夢中カレッジに参加する小中学生55名を対象に実施した予備調査(25年7月末から9月上旬に実施)の結果について、調査の実施・分析を担当する東京学芸大学大学院博士課程の大信田真弓氏は、次のように説明する。
「学校と比べてどのくらい参加しやすいかを10段階で評価してもらったところ、小学生の57.1%が最高評価の『10』と回答し、中学生でも75%が『9』または『10』と回答しました。回答数41名とサンプル数が少なく、どのような要因が参加のしやすさにつながっているかは今後検討が必要ですが、発達特性がある場合も含めて夢中カレッジは参加しやすい場として認識されていると言えます」
予備調査でわかった「不登校児童生徒の傾向」
不登校の子どもたちの社会情動的スキルの傾向も確認された。小学生は、相手の気持ちを考えて話すなど、相手に気を配るスキルが高い一方で、自分の感情コントロールや意思決定については低い傾向があり、中学生はほとんどの項目が相対的に低く、特に感情認識の低さに課題がみられたという。
また、SEL授業の効果はまだ1度の検証にとどまっているが、子どもたちに変化があった。
「SEL授業の前後のポイントを比較したところ、小学生の他者理解、感情コントロール、意思決定の一部が向上しました。メタバース上の環境であってもSELが一定の効果を持ちうると考えられます。一方で、中学生では効果が弱く、授業内容を検討中です」(大信田氏)


















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