「生成AIを使うと考えなくなる」は本当だった? 立命館大学「英語の正課授業」で見えてきた《効果的なAI活用法》と《令和必須の"新しい4技能"》

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、英作文課題におけるAIツールの活用については、「生成AIで日本語の原文を作成したうえでAI翻訳を使用する」という組み合わせ方が、時間削減と成果物の質の向上において最も大きな成果を出したという。

大学院生を対象にした調査では、AIの出力を「思考のための素材」として捉え、自身の専門知識を反映しながらポストエディットを行うことで「自分の言葉」へと磨き上げていく学習のプロセスが確認された。

「テクノロジーを活用することはズルではないのです。以前は、教師は多くの労力を単純なスペルミスの指摘や文法エラーの修正に費やしていました。今や学生がAIや機械翻訳を使ってくれるおかげで教員はより深い指導ができるようになりました」(木村氏)

「生成AIへの丸投げ」の危険性も示唆

25年度の調査では、生成AIの出力結果をそのまま使うような“丸投げ”に警鐘を鳴らす結果も得られた。AI翻訳のみを活用するグループと、生成AIのみを活用するグループを比較すると、前者のグループのほうが自力で解いた英語テストの点数は高く学習定着が見られたのだ。

AI翻訳はポストエディットなどの過程で学生自身が英文を吟味する余地を残すのに対して、生成AI利用時は学生が出力結果を鵜呑みにして能動的な学習を怠りやすい可能性が考えられ、生命科学部教授の山中司氏は「『生成AIを使うと考えなくなる』と最近よく言われるようになったが、この結果はまさにそれを示唆している」との見解を示す。

木村氏も学生の指導を行う中で、「生成AIを活用して“リサーチをした風”に見せたり、架空の参考文献を記載したままレポートを提出したりする事例もあった」と言う。

「そのような事例の多くは、生成AIの出力をそのまま貼り付けているだけで、学生はその内容を読み返してすらいません。そのような提出物が確認された際は、生成AIの回答は伝聞情報のようなもので、吟味も検証もせずにそのまま用いると剽窃など悪質な行為と見なされるリスクがあるということを繰り返し指導しています」(木村氏)

次ページ英語4技能に代わる「新しい4技能」とは?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事