「生成AIを使うと考えなくなる」は本当だった? 立命館大学「英語の正課授業」で見えてきた《効果的なAI活用法》と《令和必須の"新しい4技能"》

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AIを「学びの協働者」として捉えて利用するPEP。25年度秋学期に制定されたPEPの教員向けガイドラインにも、その考え方を反映させた。

「当初は『これをしてはいけない』という制限的なルール案もありましたが、最終的には学生の創造力や表現力、主体的な学びを応援する方向性にしました。学生に求める基本姿勢としては、『自分の成長を目的としてAIを活用しよう』『AIの出力をつねに吟味し、AIとの協働を通じて自らの思考力や表現力を磨き伸ばそう』『自分の発信に誇りと責任を持とう』ということを定めています。

ただし、ハルシネーションやアカデミック・インテグリティ(学術的な誠実さ)に加え、AI使用時の申告を推奨している点については、学生に十分理解を求めることをガイドラインに明記しています」(近藤氏)

AIを活用した授業を行うにあたっては、教員側にもリテラシーが必要だ。「教員自身もとにかく業務でAIを使うこと。そしてわからないことは恥ずかしがらずに聞くことが大切」と木村氏は話す。そのため、PEP担当の教員間ではSlackを使い、AI活用に関するアイデアや悩み事を日々共有し、皆で考える体制を取っている。

AIのサポートで「アウトプットの質」が向上

AI翻訳や生成AIの活用により、学生の学習成果や心理面には変化が見られているという。

例えば、立命館大学とAI自動翻訳サービスの提供元であるみらい翻訳の共同研究によると、350ワードの英語課題文の読解スピードが、AI翻訳の活用により全体で平均約5分50秒短縮。さらにその後の英作文課題の正確性も向上した。

英作文における文法エラー率は、AI翻訳未利用の4.13%から、利用した場合は0.36%へと大幅に減少。英文の読み書きにおいてAIのサポートを受け、内容を深める作業や表現の工夫に注力できるようになったことで、アウトプットの質が向上する好循環が生まれているという。

心理面に関しても、「いつでもAIに翻訳してもらえる」という安心感が英語への抵抗感や負担感を和らげ、自信を高める効果があることが判明した。

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