「生成AIを使うと考えなくなる」は本当だった? 立命館大学「英語の正課授業」で見えてきた《効果的なAI活用法》と《令和必須の"新しい4技能"》
1・2年次のPEPの授業は週2コマで、外部の英語講師による「Skill Workshops」と、大学教員による「Projects」で構成されている。学生たちは習熟度別クラスによるSkill Workshopsで4技能の基礎的なスキルを磨き、Projectsでは各自の興味のあるテーマについてリサーチして英語のプレゼンテーションやエッセイに取り組む。
PEPで重視しているのは、いわゆる英語力ではなく、使えるツールは何でも活用しながら適切な英語で表現する「英語の運用能力」だ。そのため、AIツールの使い方だけでなく、英語学習に活用する際のポイントなども指導する。薬学部教授の近藤雪絵氏は、授業で大切にしていることについて次のように話す。
「最初からすべてをAI頼みにするのではなく、『AIでもっと効果的に学ぶ方法があるのではないか』という視点を持ち、自分の力を向上させるために使ってほしいと伝えています。そのため、プロンプトの作り方や音声の活用、スピーチ原稿の改善などのワークショップも実施していますし、AIで英文を生成した後に、その内容について吟味する『ポストエディット(編集・修正)』の重要性についても詳しく指導しています」
学生たちの「AI活用能力」の差が顕著に
こうした指導の下、学生たちは、プレゼン原稿や図表の作成、英文の添削や校正、よりわかりやすい表現の探索、文章の簡潔化や要点の把握などさまざまな場面でAIを利用している。薬学部では、AIを専門領域にどう応用できるか試みる授業において、「薬剤師と外国人患者との会話スクリプト」や、「薬局で購入できる薬のリスト」を作成した学生もいたそうだ。
どんどんAIを使いこなしていく学生がいる一方で、プロジェクトのテーマ設定の段階でつまずく学生もいる。そんなときは、木村氏はCopilotを「壁打ちの相手」として活用する方法を実演して見せる。学生の漠然とした希望を基に、Copilotにプロジェクトのアイデアやリサーチ方法を複数提示させるところまで寄り添うこともある。
「生成AIに指示を出すには頭の中のアイデアを言語化するプロセスが必要ですが、適切な指示を出せるかには個人差があり、AI活用能力の差が顕著になってきていると感じます。そのためプロンプト作成に不安がある学生には教員のサポートが求められますが、PEPは1クラスの学生数が20人以内なのでそうした個別指導もうまくいっているように思います」(木村氏)



















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