数学テスト、最初の5分で勝負あり? 成績いい人がやってる「時間配分の妙」 《データが示す》成績上位層と下位層で異なるテスト中の行動パターン

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時間配分の確認: 「序盤で時間を使いすぎなかったか?」「見直しの時間は取れたか?」

ミスの分析: 「序盤のケアレスミスか、終盤の焦りによるミスか」を分類する。

次回の修正: 「次はわからない問題で悩む時間を3分以内にしよう」など、具体的な行動目標を立てさせる。

戦略とは「技術」である

今回のスプリックス教育財団の調査結果は、算数・数学のテストにおいて、「単なる知識の有無」以上に「それをどうアウトプットするか(戦略)」が重要であることを示唆しています。

テストとは、限られた時間の中でパフォーマンスを最大化する競技のような側面があります。「テストの点数が伸び悩む」と嘆く子どもの中には、実は知識不足ではなく、この「戦い方」を知らないだけの子も多くいます。

1. 序盤は基礎力勝負。速く正確に「貯金」を作る。

2. 中盤はペース配分。難問は時間をかけるか、飛ばすかを冷静に判断する。

3. 終盤は見直し。焦って雑に解くより、確実性を取る。

この3点を繰り返し伝え、子ども自身に「自分の勝ちパターン」を作らせてあげてください。

「解き方を変えたら点数が上がった!」という成功体験は、子どもの自信を大きく育て、その後の学習意欲へとつながっていきます。そして、「戦略を持つ」とは、自己調整学習(SRL)の“遂行段階”の質を高めることにもつながります(自己調整学習についての過去記事はこちら)。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
樋口 万太郎 中部大学 現代教育学部 現代教育学科 准教授

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ひぐち まんたろう

1983年大阪府生まれ。大阪府公立小学校、大阪教育大学附属池田小学校、京都教育大学附属桃山小学校、香里ヌヴェール学院小学校を経て、現職。「子どもに力がつくならなんでもいい!」「自分が嫌だった授業を再生産するな」「笑顔」が教育モットー。オンラインサロン「先生ハウス」主催。編著書に『その自由進度学習、間違っていませんか? 失敗しない進め方』(明治図書出版)など。

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