数学テスト、最初の5分で勝負あり? 成績いい人がやってる「時間配分の妙」 《データが示す》成績上位層と下位層で異なるテスト中の行動パターン

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1. 「開始5分」がすべてを決める

テスト全体の正答率ともっとも強い相関を示したのは、テスト開始直後(最初の5分間)の「解答数」と「正答数」でした。

開始5分間の解答数との相関:R(相関係数) = 0.764

開始5分間の正答数(速さ+正確さ)との相関:R (相関係数)= 0.837

開始5分間の解答数・正答数とテストの正答率の関係
テスト序盤の計算処理速度とテスト全体の正答率の関係/左図(a)は開始5分間での解答数とテスト全体の正答率の関係(相関係数 R=0.764)、右図(b)は開始5分間での正答数とテスト全体の正答率の関係(相関係数 R=0.837)を示している(画像:スプリックス教育財団)

これは極めて高い数値です。つまり、序盤に出てくる基礎的な問題を「いかに速く、かつ正確に処理できるか」が、その後のテスト全体の出来を決定づける「基礎体力」となっているのです。

また、「計算への自信」と正答率の相関(0.384)はそれほど高くありませんでした。これは「自信があるからできる」という単純な構造ではなく、「速く正確に解ける実力(スキル)があるからこそ、結果として自信が生まれる」という側面が強いことを示唆しています。

成績上位層と下位層では「時間の使い方」が異なる

2. 成績層ごとの「行動パターン」の違い

成績上位層(下図のA層)と下位層(D層)では、テスト中の時間の使い方がまったく異なります。

次ページ子どもたちに伝えたい「具体的なテスト戦略」
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