JR仙石線「マンガッタンライナー」撮り続けた人生 震災乗り越えた車両引退、思い出を次代につなぐ

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車体にたくさんのキャラクターが描かれているからというわけではないだろうが、武川はマンガッタンライナーを撮影していると、列車と対話しているような気がしてくる。「いいね、お前が撮る写真」「格好良く撮ってくれよな」。こんな声が聞こえてくる。武川もその“期待”に応えるように、工夫を重ねながら写真を撮り続けた。

マンガッタンライナー 流し撮り 陸前小野〜鹿妻
快走する「マンガッタンライナー」仙石線・陸前小野―鹿妻間(撮影:武川健太)

ある日、ショッキングな知らせが飛び込んできた。初代の仙石線マンガッタンライナーが2025年3月23日に運行を終了するという。20年以上も運行してきただけに車両の老朽化は避けられず、やむを得ないことだった。

車両引退「何かできないか」

運行終了の当日、地元の人たちに感謝を込めて石巻駅で引退セレモニーを実施することがJR東日本から発表された。武川も「自分にできることが何かないだろうか」。

思いついたのはマンガッタンライナーとの撮影会。駅に停車するマンガッタンライナーと参加者の写真を撮らせてもらう。そして、マンガッタンライナーの思い出を語ってもらい、コメントを記録する。「22年間も走り続けたということは、きっと日常の生活だったり、旅の思い出だったり、いろんな思いを持った方がいらっしゃるはず。その思い出を集めて残したい」。

鉄道写真家としては、東北の風景の中を列車が走る姿を写真に収めるというのが自然だろう。しかし、日々マンガッタンライナーと“対話”をしてきた武川である。「あなたが走り続けたことで勇気づけられたり、救われたりした人がこんなにたくさんいるということをあなたに知ってほしい。あなたが幸せにした人たちの表情を見てほしい」。それこそが石巻で暮らす自分の使命だと考えたのだ。

JR東日本も快諾し、2月2日と16日の2回にわたって石巻駅で撮影会が行われた。市民や関係者ら約100人が参加して車両といっしょに写真に納まった。

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