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キャリア・教育 #学校という身近な”異世界”の物語「知られざる教員のリアル」

教員が看護学校の「先進校」で感じた強烈な違和感、"すばらしい授業"を支える残業、自主性を重んじるばかりに置き去りにされる学生・同僚も…

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実際、看護師の給与は相対的に低くなっている。日本看護協会の調査によれば、2012年から12年間で、フルタイム正規雇用の看護師の基本給は6000円しか上がっていない(日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」)。ちなみに全産業平均の給与は、2012年から2024年までで3万2700円上がっている(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)。

一方、看護師資格を取得するのは簡単ではない。人体の構造や機能、公衆衛生や関連の法律まで広い範囲の知識を習得しないと、看護師国家試験には合格できない。

「だからどうしても授業は座学が多くなるんです。私自身、スライドで作成された資料を眺めながら先生の話を聞く授業ばかりを受けてきましたし、教員としてもそういう授業をせざるを得ませんでした」

そうした詰め込み型の教育ではなく、楽しさや面白さを伝えられる方法はないものか。模索した早川さんは、質の高い看護師教育をしていると定評のある看護学校に転職した。

「座学よりもグループワークに力を入れていて、自律性と考える力が身に付くと評判の学校だったんです。しかも自主性を重んじているということだったので、どんな教育をしているのか知りたいという気持ちが強くありました」

「やりっぱなし」で評価も授業検証もナシ

実際、授業は期待どおりのすばらしさだった。教員として学ぶべきポイントはたくさんあった。しかし、徐々に拭い難い違和感が出てきたという。

「すばらしい教育をしているのに、それが学生にどんな効果をもたらしたのか、評価や検証がなされていないんです。やりっぱなしなんですね。きちんと評価しないから、教員が持つスキルの高さを学生に提供しきれず、教員の自己満足で終わっている感も否めませんでした」

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【情報共有の仕組みがなく、無意味な残業が横行】

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