急速に高齢化が進む中、「これからの介護は医療の知識が必要になる」とかねて感じていたという早川さんは、一念発起して看護師資格の取得を目指すことにした。
社会人が看護師資格を得る方法はいくつかあるが、早川さんが選んだのは准看護学校と看護師学校養成所2年課程で学ぶルート。准看護学校で准看護師資格を取得したのち、准看護師として病院に勤務しながら学ぶため、働きながら最短で看護師になることができる。
特に看護師学校養成所2年課程では、フルタイムで勤務したのち、夜間に授業を受けるため「結構大変でした」と早川さんは振り返るが、その成果は大きかった。
「やはり医療の知識を得ると、介護をしていても全く違います。何らかの症状が出たときも、どんな状態なのか見極めができるようになりますし、普段どんな薬を服用しているのかといったことにも細かく目配りができます」
できることが増えただけでなく、医療の知識を身に付けたことで見え方も変わってくる。病気や症状についての解像度が高まることで、早川さん自身も世界が広がった感覚があったようだ。
「看護の世界を知ったことで、これまでわからなかったことがどんどんクリアになっていきました。わかることが増えるのはやはり楽しいです。看護学校の教員になってからは、そうした楽しさや看護の面白さを伝えたいという思いを強く持っています」
理想の教育を求めて先進校へ転職
看護の楽しさ、面白さを伝えたい――。そう早川さんが考えるのは、看護師の業務負荷が増大している現状に対する危機感もある。
「私が看護師になろうとした2010年頃は、給与水準の高い職業だと社会的にも見られていたと思います。ところが今は、業務負荷が重いのに給与に全く反映されていません。それなのにどんどん専門性が求められて、現場で頑張っている看護師が評価されなくなってきています」



















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