日本の「学力至上主義」とは一線を画す《イギリスのボーディングスクール(寮制の学校)》塾通い必要ない、学校完結型…根強い人気の実際
ヒューズ氏も同様に、イギリスには塾のようなものはなく、勉強はすべて学校の中で完結させることができると話す。
大学進学前のシニアスクールでは、学校で大学への進学指導や手続案内もしっかりしてくれて、塾に行く必要はなく勉強やエッセイもすべて教師が指導してくれるのだ。日本からイギリスの大学に進学しようとすると、別途これらを学んだり手配したりするための高額な費用がかかる。
「イギリス国内のシニアスクールにいれば、国内の高いレベルの大学への進学がしやすいです。研究型国立大学のラッセル・グループへの進学率も高く、アメリカの大学を目指す子どももいます。以前はどこの大学に行けるか、GCSE(General Certificate of Secondary Education)やAレベルのランキングを重視して留学先を選ぶ日本の保護者が多かったですが、最近はそれだけではなく勉強以外の部分も気にして選ぶ傾向が強いと思います」(ヒューズ氏)
充実したクラブ活動、お金をかけた設備
保護者が気になるのは学びだけではない。子どもたちがイギリスの寮でどのように生活するのかも判断基準になる。
「子どもが学校や寮生活で学ぶことは非常に多いです。私自身もボーディングスクールに通っていましたが、イギリスのボーディングスクールにはさまざまな国籍の生徒が入学してきました。多い学校では75カ国以上、普通でも20〜30カ国の子どもがいて、いろいろな国と交流できることは非常に有意義。親と離れることで、自立心、自尊心が芽生え、リーダーシップも育まれます」(ヒューズ氏)
ボーディングスクールには、早い子だと8歳、遅くても16歳までには入学する。保護者と子どもが離れることに抵抗があるようであれば無理に留学する必要はない。ただ、保護者がさみしいと思うほど、子どもはそう思っていないことが多いという。
寮ではお泊まり会の延長のような感覚で、毎日寝るまで友だちと過ごすことができ、深い友情を育むことができる。長期休暇もさまざまなアクティビティやイベントが用意されていて、保護者に比べて子どもは意外とさみしさを感じないそうだ。



















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