勉強した方が長生きする!?最新研究で明かされた「なんで勉強するの?」の目からウロコすぎる答え

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この論文では、同時に平均寿命と1人当たりGDPの関係も示されています。この研究によると、「所得が上がると寿命も延びる」という説は少し間違いが含まれているのではないかということが示されており、「所得が一定以上低い人は平均寿命が短くなる傾向にあるが、一定以上の所得からはあまり関係ない」、つまりはちょっとだけお金に余裕がある人ととんでもないお金持ちで、平均寿命の差はあまりないということがわかっています。

「お金持ちであればお金持ちであるほど寿命が長い」ということはあまりないということですね。「年収2000万円の人」と「年収5000万円の人」では寿命に大差はないわけですね。

それに対して、平均寿命と15歳以上の就学年数の関係性に関しては、かなり直線的で、長く就学した人であればあるほど、長生きしているということがわかっています。しかもその関係は直線的で、所得とは違って「頭打ち」にならないことがわかっています。これが意味するのは、「勉強すればするほど、人は長く生きられる」という世界的な傾向があるということです。

なぜ、勉強すると長生きするのか?

もちろん、ただ勉強しただけで直接寿命が延びるわけではありません。でも、ここには一定の因果関係が認められるわけです。論文の中でもこの理由について明確な回答はありませんでしたが、仮説としては、『教育は同時に所得を高めて健康も改善する効果がある』ということが示唆されています。

東大生でも、これについて議論をすることが多いです。病気の予防や治療に関する知識を高め、健康行動を促進するのではないか、とか、教育年数が長い人ほど収入が高く、医療や健康に対して十分な投資ができるのではないか、とか、そういう説も出てきているのですが、『社会ネットワークを作るのに勉強がかなり効果として大きいのではないか』という説が、僕が一番好きな説です。

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