延べ375名「海外大学合格」で断トツの広尾学園、人気高の現在地…AP(アドバンスト・プレイスメント)プログラムに注力する理由とは

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広尾学園 海外大学合格者数の推移

学校も生徒も海外大学を意識し始めたのは、13年以降だという。そのきっかけを、植松氏が説明する。

「中学のインターナショナルコースの1期生が卒業したのが13年3月で、この年にUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)とトロント大学に各1名が進学したことでした」

国際的に注目されている大学ランキングの1つが、イギリスの教育専門誌『Times Higher Education(THE)』が発表している「THE世界大学ランキング」である。その25年版で、UCLAは18位、トロント大学は21位である。日本の大学ではTOP100位以内に東京大学と京都大学が入っているが、28位と55位である。

国際的に評価の高い「有名大学」に合格者を出したことで、海外大学への関心が高まったことになる。ちなみに、これまでにUCLAには17名、トロント大学には113名の広尾学園卒業生が合格している。

この13年に植松氏は、アメリカで行われた海外の大学と交流するためのイベントに単独で参加する。そこで多くの大学の関係者と名刺交換し、それがきっかけとなって広尾学園に海外の大学が学校説明に訪れるようになる。

現在では、毎年9月に海外大学が広尾学園に集まって学校説明を行う「海外大学フェア」が行われている。広尾学園の生徒のために学校選択を支援するためでもあるが、周辺のインターナショナルスクールに対してもオープンになっていて参加者は2000人近くを数えている。広尾学園の生徒だけでなく、日本の高校生に海外大学に興味を持ってもらおうという意図もあるそうだ。

広尾学園で開催される海外大学フェア
毎年9月に海外大学が広尾学園に集まって学校説明を行う「海外大学フェア」。広尾学園だけでなく周辺のインターナショナルスクールの生徒も参加するという(写真:広尾学園提供)

インターナショナルコースの「SGとAG」

10年には中学のインターナショナルコースにSG(スタンダードグループ)が設けられ、従来の帰国子女を中心にしたグループはAG(アドバンストグループ)となる。帰国子女と一口に言っても、海外での生活が1年未満だったり10年以上だったりと、さまざまなケースがある。そうした中でSGは、主に日本で小学生生活を過ごして、4教科入試を受験した子どもたちが対象となっている。

AGではほぼ外国人教員による英語での授業なのに対して、SGでは授業は日本語だが、外国人教員が担当する英語には力が入れられており、19年からはEFL(English as a Foreign Language)という英会話の時間が週3回組まれている。

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