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近鉄がプロ野球でなく「ラグビー」を続ける意味 「ライナーズ」のカネ、練習、補強、鉄道との関係…

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ライナーズは学校での出張授業をはじめ、さまざまな形で地域と交流しており、近鉄グループにおける社会貢献活動の一環という側面もある。沿線のさまざまな自治体とまちづくりや地域活性化などで連携協定を締んでいるが、そこでもラグビーが媒介役として一役買っている。社会貢献という点でもプロ野球よりもラグビーのほうがふさわしいと判断したようだ。

近鉄が事業として抱えるスポーツはラグビーのみ。ほかのスポーツはやらないのかという問いには「余裕があれば持ちたいが、今はラグビーだけで精いっぱい」。ライナーズの選手は50人を超える。スタッフも合わせれば100人近いという。人件費だけも多額のコストがかかる。それでいて、年間に行えるのはわずか十数試合。激しいボディコンタクトが行われるスポーツで回復に時間がかかるため、試合間隔を1週間程度空ける必要があるのだ。駒喜多部長は「事業で稼ぐことを目指しているが収支面ではしんどい」と打ち明ける。

ラグビーは選手同士の激しいコンタクトを伴うスポーツだ。2024-25シーズンの開幕戦=2024年12月21日(写真:花園近鉄ライナーズ)

大型補強でファン獲得狙う

収入を増やす、つまり観客数を増やすにはチームを強くしないといけない。このオフシーズンに大型の補強を行った。南アフリカ代表のマニー・リボック選手をはじめ、国内外から多数の選手を招いた。リボック選手の獲得にはかなりのお金がかかったのではないかと思ったらそうでもないという。

花園近鉄ライナーズの村下雅章チームディレクター(記者撮影)

村下氏によると「確かにギャラはすごいが、当初提示した金額で契約できた。市場評価としては今の1.5倍くらい払わないといけないと思っていた」。強化・編成担当スタッフが南アフリカに出向き、直接口説き落としたという。クーパー氏のコーチ就任も有利に働いた。リボック選手にとってクーパー氏は若き日のあこがれの的。「クーパー氏からコーチングを受けたい」。これも決め手の1つになった。

駒喜多部長は「補強に思い切ってお金をかけたとはいえ、D1の平均値とくらべると見劣りする」と話す。収入が増えないと人件費に使える資金にも限界がある。現在のライナーズの収支は「D2では上位で、D1の下位レベルと競っているようなイメージ」。今はファンの裾野を広げている段階で、安くてもいいからチケットを買ってもらうことを優先する。新しいファンを獲得できれば長期的に収益の源泉になるという考えだ。先ほど「地域との交流は社会貢献の一環」と書いたが、将来のファン作りという側面もある。

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