近鉄がプロ野球でなく「ラグビー」を続ける意味 「ライナーズ」のカネ、練習、補強、鉄道との関係…

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ライナーズを統括する近鉄GHDの駒喜多学ラグビー事業部長にも話を聞いた。なぜ近鉄は90年以上にわたってラグビーを続けているのか。駒喜多部長の考えはこうだ。

近鉄GHD ラグビー事業部長
近鉄グループホールディングスの駒喜多学ラグビー事業部長(記者撮影)

「鉄道は列車を動かす運転士と車掌がいて、さらに土木、電気、車両といった異なる部門が連携を取りながら、一致団結して運行しています。どこかで1つでもミスがあると事故につながる。全員がミスせず連携して仕事するから無事故で定時運行することができる。ラグビーも各ポジションの役割はバラバラですが、みなが自分の役割をしっかりとこなす。1人だけでは成り立たずチームワークが不可欠なスポーツ。そういうところで鉄道とラグビーは近いのではないか」

体型も特性も国籍も違う各ポジションの選手がそれぞれの役割を果たし、パスをつないで最後にトライを取る。そんなラグビーのプレイスタイルが鉄道に重なるのだろう。ちなみに、ライナーズという愛称は近鉄特急「アーバンライナー」に由来し、ここでもラグビーと鉄道が重なる。

グループに帰属意識を持たせる「象徴」

ラグビーとのつながりは鉄道だけではない。若井社長は会見の場でこんなことを話していた。

「近鉄グループには多種多様な事業があり、それぞれが力のある会社だと自負している。今までは個社1つひとつが強くなることを目標としてきたが、今後はグループの連携を強めないとさらに強くなることはできない」

駒喜多部長にこの発言を伝えると、即座に相槌を打った。

「まさにそう。いい街を作ろう、生活しやすい街を作ろうと思ったら、不動産、流通、鉄道などバラバラの事業が団結しないといけない。近鉄グループの各社は、それぞれ専門性は高いですが横のつながりは少ない。ラグビーでグループ全体が1つにまとまるようにしたいのです」

近鉄ライナーズ ポスター
東花園駅構内にある花園近鉄ライナーズのポスター(記者撮影)

近鉄のグループ企業数は約250社に及ぶ。中には大阪から遠く離れ、社名に近鉄が付いていない小さな会社もある。グループの隅々まで帰属意識を持たせるために必要な象徴。それこそ、近鉄がラグビーを続けている理由だった。

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