日本橋茅場町に「約17㎡の田んぼ」、都会の小学校ならではの特色を生かして企業と連携"都市型環境教育"の中身
「校長先生、担任の先生と相談しながら年間計画を立て、(社会科8時間、総合的な学習の時間8時間、計16時間)田植え・稲刈りはオフィス屋上の『あおぞら田んぼ』で実施し、脱穀・もみすりは阪本小学校で出前授業の形で行っています。
BBC制作の米文化に関するドキュメンタリー映像の上映や害虫対策のためのメダカ放流など、環境教育の要素も積極的に取り入れています。子どもたちは、可能性の塊。この体験が、日本の米文化に対する興味の種を育んでくれることを願っています」
都市型菜園 「Edible KAYABAEN」で学ぶ
次の舞台は、阪本小学校から徒歩で約5分。東京証券会館の屋上に22年に誕生した、食べられる植物を育てる都市型菜園「Edible KAYABAEN(エディブル・カヤバエン)」だ。
「Edible KAYABAEN」は、アメリカ・バークレー発の菜園教育を日本の風土に適した形で伝える「一般社団法人エディブル・スクールヤード・ジャパン(以下、ESYJ:堀口博子/代表、ファウンダー)」と、同エリアの再活性化プロジェクトを進める平和不動産、同菜園の設備工事や植栽導入などを担当したユニバーサル園芸社との共創から生まれた、地域の“居場所”。
阪本小学校では22年から、2年生がこの場所を活用している。秋から冬にかけて秋冬野菜を栽培し、収穫した野菜を調理して食べるという、生活科と連携した体験授業(全4回、1回につき2時限)を展開しているのだ。「自律し、生活を豊かにする資質能力を育む」という生活科の教科目標を受け、“エディブル授業”の基本である「ともに育て、ともに料理し、ともにいただく」活動を子どもたちに届けていく。
10月のとある日、その第1回授業が開催された。ガーデンティーチャーはESYJの山本竜太郎氏で、この日のテーマは「大根のタネをまこう!」。
エレベーターで屋上へ上がり、扉を抜けた先に広がる菜園の様子に、子どもたちは目を輝かせる。みんなで輪になり授業の目標を共有した後、7~8人のグループに分かれてガーデン観察がスタート。各グループにはESYJのグループティーチャーが配され、子どもたちを見守る。
山本氏の「香りがする植物を見つけたら、その植物を摘んで紙に貼っていこう」という言葉を受け、子どもたちは三々五々、ガーデンに散らばる。「すっとした匂いがする!」「この葉っぱ、色がすごくきれい!」など、五感をフル活用して活動に熱中する子どもたち。大きく育ったヘチマやカボチャを見つけたり、マリーゴールドなどの花々の香りを味わったりと、存分に菜園を観察した。観察を終えた子どもたちは、大根の種まきに臨んだ。


















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