合計9000億ドル!なぜ日韓はアメリカに搾り取られるのか、日本と韓国が対米貿易黒字国の上位に長年位置していたことが背景に

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投資の規模は対GDP比でどれほど大きいのか?

日本にとって、約束された投資額は2024年末時点のGDPの約14%に相当する。必要となるドルは、外貨準備の半分弱に当たる。

韓国が背負う相対的な負担は、日本よりもはるかに重い。約束された投資額は24年時点のGDPの約20%に及び、外貨準備の80%前後に相当する。

日本の対米貿易黒字は昨年で685億ドルと、7番目に大きかった。貿易黒字がこの先も変わらないと仮定すれば、日本が約束した投資額の規模は、トランプ氏の2期目の間に日本が計上するであろう貿易黒字額合計のおよそ2倍になる。韓国の対米貿易黒字は日本よりやや小さく、660億ドルだった。

日本が検討している具体的なプロジェクトの内容は? 

日本の経済産業省は実際に投資に向けて動き始めていることを示すため、トランプ氏の訪日時に対米投資に関心を示している企業とプロジェクトの一覧を公表した。プロジェクトの件数は20を超え、ソフトバンクグループやウェスチングハウス、東芝などが名を連ねた。

経産省によると、これらの企業はエネルギーや人工知能(AI)、重要鉱物などの分野での合弁事業を模索している。

米国との関税交渉を率いた赤沢亮正経産相によれば、それぞれのプロジェクトの規模は3億5000万ドルから最大で1000億ドルに上るものもあり、総額約4000億ドルに達する可能性がある。

経済や金融市場に対する潜在的な影響は?

市場関係者の間では、日本から米国への投資急増は円相場を下押しするだろうとの見方が広がっている。

一方、これらの投資は日本が既に保有するドルを主に使い、外国為替資金特別会計を通じて実施するため、為替市場への影響はあったとしても最小限だと、赤沢氏は説明している。

日本は米国にとって既に最大の投資国で、新たに資金をつぎ込めば企業はますます日本からの輸出でなく米国での生産を選ぶようになり、日本の産業空洞化が進むとの懸念がある。こうした懸念に対し、政府は対策を検討中だ。

韓国も同様の懸念を抱え、為替への影響は日本よりも大きい可能性があるとみられている。

韓国銀行(中央銀行)は外国為替市場に影響を及ぼさずに供給できるのは年200億ドルが上限だとの認識を示した。同国メディアによれば、韓国は年間投資額をその水準以下に抑えるよう主張しているが、米国はそれ以上を求めている。

著者:野原良明、Heesu Lee

ブルームバーグ
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