「他にも、祖父の方の親類に、定やんという奇人がいた。この人は、妖怪の『倉ぼっこ』じゃないが、倉の中で一生を働かずにすごした。働かずにといっても、決して暗い一生だったわけではなく、恋愛はする、読書三昧にふける、結婚もする、町会議員には立候補する、といったあんばいで、人一倍楽しい人生を送った」
「また、親父の母方の親類には、虎次郎という奇人もいた。米子市で初めて東大を出たという人だったが、この人も一生働かずに遊んでくらした。『東大を出ると虎次郎みたいになるぞ』というのが、近所や親類の人の口ぐせというか、教訓みたいなものだった」
なんとも浮世離れしていて、痛快だ。
当然クビに
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