自民と維新の連携合意で一件落着ではない? 高市内閣発足"確実"でも終わらない「地雷だらけ政局」の深層
ただし、火種もくすぶる。
自維協議において「『政治とカネ』における最大の争点」(維新幹部)だった「企業・団体献金の廃止」については、「公開・透明化による存続」を主張する自民党と、「完全廃止」を求める維新が真っ向から対立しており、「合意は極めて困難」(自民党幹部)とされる。

維新全体を統括する吉村代表は、自民党との最終的な連立・連携関係樹立について、「総合的に判断する」としている。維新内でも「企業・団体献金での決裂はやむをえないとの考え」(側近)との見方が広がる。
吉村代表が16日に唐突な形で打ち出した「定数削減」についても、政界関係者の間では「『政治とカネ』の問題に関して自民党と妥協した事実から、国民の目をそらすのが狙い」(立憲民主党幹部)との指摘が相次ぐ。それだけに、「今後、その点での『自維合意』の正当性が問われる」(公明党幹部)ことは間違いなさそうだ。
「定数削減」で会期冒頭から難航する可能性も
また、国民生活に直結する物価高対策のための今年度補正予算案の国会提出は、12月上旬となる見込み。17日に与野党が合意した「12月17日までの58日間の会期」内で成立するかどうかは「極めて微妙」(自民党の国対担当者)な情勢だ。
しかも、自民・維新両党が議員提案として臨時国会冒頭に提出する見通しの「定数削減法案」については、「議員の身分にかかわる重大問題で、慎重な議論が大前提」などとほとんどの野党が反発。自民党内でも異論が噴出している。
国民民主党の玉木雄一郎代表は「わが党は賛成するので、国会冒頭で議決・成立させて、直ちにガソリン減税など物価対策の早期実現に取り組むべきだ」と主張するが、今後の展開次第では「定数削減国会」になりかねない。高市新政権の前途は極めて多難となりそうだ。
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