親の離婚→不登校→通信制に転校、逆境を経て女子高生が「スリランカ留学」で見つけた夢とは?帰国後は広島大に総合型選抜で合格、次の挑戦は…

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「母子家庭、不登校、通信制への転校などはネガティブな要素かもしれませんが、ほかの人が持っていない強みでもあると思います。こうした背景でもさまざまなことに挑戦している自分の生き方を伝えることで、誰かの背中を押せる存在になりたいです」

天津さんの講演を聞いた高校生からは、「自分も母子家庭だが、留学に挑戦してみたい」といった感想を寄せられることが少なくないという。

学校現場に提言したいことについて尋ねると、次のような答えが返ってきた。

勉強は運動が得意ではなくても

「勉強ができる子や運動ができる子だけが注目されるのではなく、1人ひとりの長所も短所も尊重されることで、子どもたちが伸び伸びと生きられる環境になってほしいです。今は目立たない子であっても、将来、社会に対して大きなインパクトを与える人になるかもしれないので、先生方はいろいろな子に目を向けてあげてほしいと思います」

逆境にくじけることなく、天津さんをここまで突き動かしてきた原動力は何なのだろうか。

「課外活動でも、教育にお金をかけてもらっている同世代の人たちに出会いましたが、自分がそうした恵まれた環境にないことを理由にやりたいことを諦めたくないと思いました。実は2度目のトビタテに応募したときも直前に大失恋しているのですが、『負けたくない』という思いが前に進む力になりました。この負けず嫌いな精神が、私の原動力です」

困難な経験は夢を諦める理由にもなり得るが、それを力に変えることができれば人生を切り開く糧にもなる。天津さんが描く軌跡は多くの人々に勇気を与えることだろう。

天津晶乃さん
天津晶乃(あまつ・あきの)/広島大学 教育学部 第三類 多文化・グローバル教育学プログラム1年生。両親の離婚、不登校などを経験し、高校1年生のときに全日制高校を自主退学。青楓館高等学院3年生のときに「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム」高校生等対象9期生に採用され、スリランカで1カ月留学。観光情報会社でのインターンシップ、幼稚園でのボランティアなどを行い、帰国後は講演などで自らの体験を発信している。2026年には再びトビタテの大学生対象の奨学金を得てスリランカへの留学を予定(写真:天津晶乃さん提供)
東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
安永 美穂 フリーライター

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やすなが みほ / Miho Yasunaga

早稲田大学第一文学部卒業。教育系出版社で情報誌編集に携わった後、2003年にフリーライターとして独立。教育・子育て・キャリア・働き方などのテーマで、20年以上にわたって教育関係者や学生、社会人、企業等への取材・執筆を行う。子どもの成長に合わせて、保育・学童・学習・受験・就職などのテーマでも、保護者目線を活かした取材を続けてきた。その人ならではの「物語」を伝えることにやりがいを感じ、人物インタビューも数多く手がける。趣味は演劇・ミュージカル鑑賞。

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