必死で仕上げた書類は審査を通過し、面接でも熱意をぶつけた結果、天津さんは晴れて合格。うれしさと不安が入り交じる中、高3の夏、天津さんはスリランカへ飛び立った。
1カ月のスリランカ留学で見つけた夢とは?
スリランカでの生活を始めた当初は、「目にする色や匂い、生活水準やルールなど、すべてが日本とは違う環境に慣れるのが大変でホームシックになった」という。何をすべきかを自分で決めて開拓しなければならないことにも不安を感じたが、持ち前の行動力でさまざまな活動に挑戦していった。
観光情報会社のインターンシップでは、TikTokを中心としたSNS運用を担当。「スリランカで人気のスムージーボウル巡り」「1000ルピー(約500円)で何が買えるか」といった動画を編集し、スリランカの日常を日本に向けて発信したところ、1週間でフォロワーは1000を超え、視聴回数も10万回を超えた。現地在住の日本人経営者5人にインタビューを行い、スリランカの魅力を発信するためのヒントも得たという。
現地の日本語学校の生徒たちに向け、日本文化体験イベントも企画。書道やソーラン節などを通じて、約40人の生徒と交流した。さらに、トビタテの友人が同時期にボランティアをしていた幼稚園を訪れた際、子どもたちに絵本を読んであげたことがきっかけで、天津さんもそこで4日間のボランティアをすることになった。

「子どもたちと身ぶり手ぶりでコミュニケーションを取る中で、言葉が通じないのに笑顔を返してくれることに心を動かされました。一方で、幼稚園の現場で殴る・蹴るといった体罰が普通に行われていたことには驚きました。私自身の経験と重なるところもあり、この現状を絶対に変えたいと強く思いました」

漠然と「海外で働きたい」と思うにとどまっていた天津さんだが、幼稚園での経験をきっかけに「スリランカで教育支援をしたい」という明確な目標を見つけることができたという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら