"なぜ香りは心に残る?" ラグジュアリーホテルも導入する「アロマ調香デザイン®︎の力」、6500種以上の創香経験に知る心地よい香りの楽しみ方

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アロマ空間デザインの力
香りは目に見えないが、確かに感情に作用し、記憶に残り、人の心を動かす力を持つ(画像:筆者提供)

2025年大阪・関西万博では、各国パビリオンで「香りの演出」が話題となっています。私たちTOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIOでも万博で「アロマ調香Lab」を開催し、多くの来場者に天然精油を使った調香体験を提供しました。

その中で、猛暑の日に来場されたおばあさまとお孫さん。檜や柚子などの精油を組み合わせて「草原の香り」をお作りいただきました。

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すると、疲れ切っていた表情が一変。「香りってすごいわね、元気になっちゃったわ」とにこにこと笑顔を見せてくださったのがとても印象的で、“これぞ香りの力だ”と実感するエピソードでした。

香りは目に見えません。しかし確かに感情に作用し、記憶に残り、人の心を動かす力を持っています。

【写真を見る】ラグジュアリーホテルやラウンジなど、各コンセプトに合わせて施設ごとの香りをディレクションした事例を多数紹介(全11枚)

香りはなぜ記憶に残るのか?ー科学的データから

嗅覚は五感の中でも特別な働きを持ちます。視覚や聴覚とは異なり、香りの情報は大脳辺縁系に直接届きます。

• 0.2秒で脳に到達し、感情の75%に影響すると言われています。
(Martin Lindstrom, Brand Sense: Build Powerful Brands through Touch, Taste, Smell, Sight, and Sound, 2005)
• シトラス精油はストレスホルモン「コルチゾール」を減少させる効果が確認されています。
(Komori, T., et al., Antidepressant Effect of Citrus Fragrance in Humans, Brain Research, 1995)
• 森林浴研究では、木々が発する「フィトンチッド」によってNK細胞活性が上昇し、免疫機能が強化されることが報告されています。
(Li, Q., et al., Forest bathing enhances human natural killer activity and expression of anti-cancer proteins, International Journal of Immunopathology and Pharmacology, 2007)
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