"なぜ香りは心に残る?" ラグジュアリーホテルも導入する「アロマ調香デザイン®︎の力」、6500種以上の創香経験に知る心地よい香りの楽しみ方

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また、土地で育った植物の香りには気候や風土が反映されています。森の香りは「その土地の空気」を体験することでもあり、まさに地域文化の一部。森林由来の精油を使うことは、環境保全や地域経済の循環にもつながります。

「47 SCENTS OF JAPAN」
筆者のTOMOKO SAITO AROMATIQUE STUDIOが手がける、地域資源と五感をつなぐプロジェクト「47 SCENTS OF JAPAN - 五感で巡る、日本の香りの旅 -」(画像:筆者提供)

今年からスタートした「47 SCENTS OF JAPAN」というプロジェクトもこうした考えから生まれており、日本各地の蒸留所や生産者と連携して、47都道府県それぞれの香りのリサーチを行うとともに、香り×文化、工芸などとの連携も生まれています。

この取り組みを通じて、サステナビリティと地域創生、文化継承を両立させながら、日本独自の香り文化を世界に発信していきたいと考えています。

47 SCENTS OF JAPAN
「47 SCENTS OF JAPAN」は、筆者が10年にわたり全国の産地や生産者を訪ね、その土地の素材を蒸留する「香りの旅」から生まれた(画像:筆者提供)
47 SCENTS OF JAPAN
旅の中で、黒文字の間伐材や杉・檜の端材など、これまで十分に活用されてこなかった“香る素材”たちに出会った筆者は、それらの魅力を香りとして引き出すべく活動を開始したという(画像:Photo /Hajime Nonaka)

日常に香りを取り入れる方法

香りは特別なホテルやイベントだけでなく、暮らしの中にも生かせます。

• リビング:オレンジや柚子にヒノキを合わせ、安心感とだんらんを演出。
• ワークスペース:レモンや杉、ローズマリーなどで集中力を高める。
• 寝室:ラベンダーやサンダルウッドで深い鎮静作用を。

気持ちのオンオフや、精油の持つ働き(抗菌、リラックスなど)、部屋や時間帯に合わせて香りを選ぶことで、日常が快適により豊かになります。

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