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"なぜ香りは心に残る?" ラグジュアリーホテルも導入する「アロマ調香デザイン®︎の力」、6500種以上の創香経験に知る心地よい香りの楽しみ方

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  • 齋藤 智子 アロマ調香デザイン®︎クリエイティブディレクター
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富士フイルム デザインセンター「CLAY」

空間演出だけではなく、企業の創造拠点にも香りのデザインを導入していただいています。90名を超えるデザイナーが集う拠点で、シグネチャーセントを開発しました。全員へのアンケートと投票を経て選ばれた香りは、「野性を取り戻す」「感性を高める」「常に進化する」という理念を体現。
アイデアが欲しいとき、気分転換をしたいとき、呼吸を深めたいときなどに各自が思い思い使えるような仕様となっています。

富士フイルム デザインセンター「CLAY」の外観(画像:筆者提供)

創香には、CLAYの敷地内で育つペパーミントを蒸留して加えることで、オンリーワンの香りに。また、「Design Development & Talk」に登壇し、香りと創造性の関係についてデザイナーの皆さんと対話。嗅覚を働く場のデザインに取り入れる意義を共有できたのは大きな成果でした。

「Design Development & Talk」での講演の様子(画像:筆者提供)

香りは「見えない資産」として空間の世界観をつくる

ボルテックス(Vortex)

東京・八重洲の「VORT東京⼋重洲maxim」最上階にあるオーナー専用ラウンジ「the crux tokyo station」は、ダークブラウンを基調とした重厚なインテリアと本棚が並ぶ、静謐で知的な空間です。このラウンジに導入された香りは、空間の世界観を完成させるための大切な要素でした。

Vortexが提供する「VORT東京⼋重洲maxim」最上階のオーナー専用ラウンジ「the crux」(画像:ボルテックス)

テーマは「気品・落ち着き・柔和」。橙やマンダリンなど穏やかな柑橘に、唐松や檜、芳樟といった日本の木々の香りを重ね、さらにサンダルウッドやパチュリ、ベチバーが深みと余韻をもたらします。森林浴のような鎮静効果と清浄感が空間の重厚な静けさと呼応し、訪れる人をゆるやかに包み込みます。

重厚な静けさを感じる空間に、橙やマンダリン、唐松や檜、芳樟、サンダルウッドやパチュリ、ベチバーなどがテーマに寄り添う香りを演出する(画像:ボルテックス)

香りは視覚やインテリアだけでは表現しきれない「見えない資産」として、空間のブランド価値を高めます。派手さではなく静けさの中に本質的な豊かさを宿す。ここには「Quiet Luxury」の思想が息づいています。

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【私が調香(ブレンド)にこだわる理由】

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