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三菱商事が洋上風力から撤退、第2ラウンド以降も脱落の恐れ。価格競争にこだわり、事業環境の変化に対応できなかった経産省にも責任

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武藤容治経産相に事業撤退を報告する中西勝也・三菱商事社長 (編集部撮影)
5人の解説部コラムニストが、気になるニュースの真相を解説する。【火曜日更新】

三菱商事と中部電力の企業連合は8月27日、秋田県沖と千葉県沖で計画する洋上風力発電事業から撤退する方針を発表した。必要な投資額が1兆円以上に膨らむうえ、資材高騰などで採算が合わないことが理由だ。

業界関係者の多くが首をかしげた安値で落札し、揚げ句に事業を放り出した三菱商事連合の責任は重い。そもそも日本で実績がないにもかかわらず、1キロワット時当たり11.99〜16.49円という、太陽光発電並みの落札価格で利益が出るとした三菱商事連合の説明自体、当初から信憑性が疑われていた。

加えてロシアによるウクライナ侵攻を機に世界規模でのインフレーションや金利高騰、円安に見舞われ、「建設費が2倍以上に増大した」(三菱商事の中西勝也社長)。利益が見込めないことから、プロジェクトファイナンスもできない状態だと中西社長は明かした。

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