いま次世代シューズブランドがアツい!高くても売れる理由とは?既存勢力と一線を画す欧州発ブランド〈On〉〈HOKA〉〈SALOMON〉の正体

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「最たる魅力は、やはりテクノロジーにあると思います。まず何より軽く、クッション性にも優れている。今では多くのブランドから展開されている“厚底”のパイオニアもほかならぬ〈HOKA〉でしたし、本来アスリート向けに開発された先進テクノロジーが日常使いにまで浸透していった結果だと思うのです。

当初はその出自からアスレジャー※2の文脈で語られがちでしたが、今やスポーツブランドだけでなく、一般的なファッション量販でもアスレジャー由来の素材や機能を取り入れるのが当たり前の時流にあります」

価格が高くても人々が買う理由とは何だろうか。

「機能性が伴っていることだけではなく、日常使いのシーンだとファッショナブルかどうか、かっこいいかどうかで選ばれるかが決まります。その点、人気が爆発したことで魅力的なブランドだということが浸透し、高くても指名買いされるようになったのです」

※2「アスレチック」(運動競技)と「レジャー」(余暇)を組み合わせた造語で、日常使いとしてスポーツウェアを取り入れること

ハイブランドとのコラボも躍進の要因

では、売れ筋はどのあたりだろうか。

〈On〉〈HOKA〉からメンズ、ウィメンズそれぞれ1足ずつピックアップしてもらった。

黒いOnのCloud 6、白いOnのCloudmonster 2
左/ブランドを代表するアイコンモデル〈クラウド6〉ウィメンズ仕様 ¥18,700
右/ロードランニングに特化したハイパフォーマンスモデル〈クラウドモンスター2〉メンズ仕様 ¥23,100(写真:今井康一撮影)
ベージュのHOKAのClifton 10、ピンク色のHOKAのBondi 9
左/ワイドやエクストラワイドなど豊富なワイズ展開も魅力も定番モデル〈クリフトン10〉メンズ仕様 ¥19,800
右/ジョギングなど日常的なワークアウトに向けて開発された〈ボンダイ9〉ウィメンズ仕様 ¥24,200(写真:今井康一撮影)

実は、有名なハイブランドとのコラボも、こうしたシューズの人気を加速させる要因となった。

「〈SALOMON〉は〈マルタン・マルジェラ〉の派生レーベル〈MM6〉、〈On〉も〈ロエベ〉といったメゾン系のハイファッションともコラボレーションしています。そういった他フィールドへのアピールも躍進の後押しになったと。これまでは、いわゆるスニーカーシーンやマニアックなマーケットとは異なる文脈で語られがちでしたが、今後は徐々にそういった垣根をも超えていく、もしくはすでに超えつつあると考えていますね」

こうした新興シューズブランドは、旧来のスニーカー市場に大きな変化をもたらしてきた。競技向けだった最先端のテクノロジーを日常使いにまで浸透させ、ファッションアイテムとしての地位を確立。

カジュアル化やインバウンド需要、ハイブランドとのコラボなどを通じて、注目度が高まってきている。ライフスタイルを彩る存在としてのシューズが、これからどのように進化していくのか楽しみだ。

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白水 健寛 エディター・ライター

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はくすい たけひろ / Takehiro Hakusui

文化服装学院スタイリスト科途中退学後、スタイリスト某氏に師事。 師の渡米を機に祥伝社『BOON』の専属ライターとして 1995 年より活動開始。1998 年アウトバーンに入社。クラブミュージック専門誌『remix』にて編集およびライティングを担当。 2000 年『BOON』にて Web 事業の立ち上げに参画後、フリーランスエディター・ライターとして活動中。

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