いま次世代シューズブランドがアツい!高くても売れる理由とは?既存勢力と一線を画す欧州発ブランド〈On〉〈HOKA〉〈SALOMON〉の正体

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スポーツシューズの本分を妥協なく追求しながらも、その軽さや優れた履き心地が次第に街履きとしても評価され、ランニングやフィットネスといったカテゴライズを超えて広く一般市場へと浸透していった。

潮目が変わったのはコロナ禍だった

そんな新興勢力の動きにいち早く着目し、コロナ禍以前の2016年より専門店となる「スポーツマリオ ラン&フィットネス」を運営するスポーツセレクトショップ、スポーツマリオの取締役営業本部長・菅原孝夫さんはこう振り返る。

スポーツマリオ ラン&フィットネスの店舗の入口付近の様子
スポーツマリオ ラン&フィットネス 新宿髙島屋 スポーツ・メゾンにはスポーツシーンだけでなく、日常で履くシューズを求める顧客も多く来店する(写真:今井康一撮影)

「〈On〉や〈HOKA〉といったブランドを、われわれはかねて“プレミアムランニング”と位置づけています。エントリーモデルでも約2万円、中堅モデルとなると4万円弱するものもあり、いわゆるスニーカーのボリューム層にあたる10~20代のユーザーにとっては、当然ハードルの高い価格帯でしたから、私たちはわかりやすく“脱部活”というスローガンを掲げてスタートしています。

とはいえ、当初はほとんど売れなかったんですね(笑)。そんな厳しい潮目が変わったタイミングが、奇しくもコロナ禍でした。出社率が激減し、テレワークの影響もあってビジネス層の服装がよりカジュアルに変化し、足元も革靴ではなく、スニーカーが選ばれるようになっていきました。

そんな流れと見事に共鳴したのが〈On〉や〈HOKA〉に代表される欧州発のプレミアムランニングブランドだったのです」

それらの存在を世に知らしめるにあたり、各国のアーリーアダプター、SNSを駆使したインフルエンサーたちの影響も間違いなく一役買っていた。とくに〈On〉に関しては、ブランド名さえ知らないものの、存在自体はうっすら認識しているという読者も少なくないだろう。

さらにその躍進を決定的にしたのが、コロナ禍が収束した2021年以降。来日する観光客たちのインバウンド消費によって加速していった。

店内の壁にたくさんのOnのスニーカーが陳列されている様子
スポーツマリオ ラン&フィットネス新宿店では、コロナ禍以前より〈On〉をほぼフルラインナップ展開している(写真:今井康一撮影)
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