いま次世代シューズブランドがアツい!高くても売れる理由とは?既存勢力と一線を画す欧州発ブランド〈On〉〈HOKA〉〈SALOMON〉の正体
「多店舗展開する同業態でも最も都市部に位置する新宿店に限っては、今なお80%以上のお客様が海外観光客の方です。当初はお一人で48足もお買い上げいただいた例もありました。現在は1人5足までの制限を設けていますが、それでも土日のたった2日間で他店の1カ月分相当の売り上げを叩き出すこともありますし、依然として高い需要を維持しています。
日本を訪れる観光客の方々は、それなりに旅慣れた方も多く、彼らにとっては、もはやランニング目的ではなく、旅用や日常使いとして浸透しているように映りますね」

確かに当取材の数カ月前に筆者が訪れたベトナム・ハノイの街を行き交う欧米観光客のほぼ全員が〈On〉を履いていた。
そもそも同ブランドは、スイス出身のオリヴィエ・ベルンハルトなるアスリートによって2010年に設立された。一体型ソールの成形技術の進歩も相まって優れた軽量化を実現し、母国スイスをはじめ、アメリカ、日本のランニング市場において成長率1位を獲得している※1。
※1 The Business Research Company発行「Running Shoes Global Market Report 2025」より
なぜ価格が高くても売れるのか?
フランス発祥の〈HOKA〉も2名の現役アスリートによって設立され、トライアスロンやトレイルランニングといったフィールドで絶大な支持を集めた。その後、アメリカの巨大シューズ企業〈デッカーズ アウトドア コーポレーション〉に買収され、世界的な急成長を果たしている。
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