「AI関連に興味なし?」ウォーレン・バフェット《現金50兆円》トランプ関税ショック期間中の気になる投資行動が判明

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こうした状況は、1990年代後半のITバブル期に非常によく似ている。このときもバフェット率いるバークシャーは高騰を続けるハイテク株には一切手を付けなかった。そのため、バークシャーの株価は高騰を続けるナスダック総合指数やS&P500に大きくアンダーパフォームして、「バフェットも時代遅れになった」などといわれたものである。

今回もまた、株式投資に慎重で現金・現金同等物を貯め込んでいること、株式ポートフォリオの中身もAIがらみやハイテク銘柄が少ないことなどから、バークシャーの株価はアンダーパフォームが顕著である(下チャート)。

ITバブル崩壊時はダメージが少なかったが…

ITバブルの時は、その後に起きたITバブル崩壊でバークシャーは大きな痛手を負うことなく切り抜けることになり、バフェットの先見の明が再評価される結果となったのだが、今回ははたしてどうだろうか。

なお、ここはよく誤解されるところだが、現金・現金同等物を貯め込んでいるからといって、バフェットが株式相場の下落を見込んでいるとは限らない。彼は短期的な相場動向に賭けるタイプではないのだ。単純に「株価が下がる」と予想して株式投資に慎重になっているということではないだろう。

ただ割高になりすぎた株は、長期的に見たときに必ず期待リターンが下がる。どんなに優良な企業でも、長期投資で十分なリターンをあげるには、それなりに合理的な価格で投資をしなければならない。そういう意味でバフェットの眼鏡にかなう銘柄が、なかなか見つからないのだと考えられる。

それに加えて、現金・現金同等物の大半を占める短期国債は現在4%強の利回りが得られる。短期国債に投資すること自体は誰でもできることなので、いつまでもそれを続けることは避けるべきだが、今すぐ無理に投資しなくてもよいと考える背景の一つにはなっているのだろう。

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