最大マイナス30℃の冷却グッズも登場!"義務化元年"の「猛暑対策製品の展示会」がガチでスゴすぎた
ここまでは主に労働現場における熱中症対策を紹介してきたが、私たちの日々の暮らしにおける熱中症対策も進化している。とくに今年は、体の内部から冷やす「深部体温冷却」の効果がある「アイススラリー」が一大トレンドとなっているようだ。
シャープが参考出展した「アイススラリー冷蔵庫」は、専用ドリンクを最適なシャーベット状態に自動で生成するもの。大正製薬も看板商品ブランドを冠した「リポビタンアイススラリー」をプッシュする。
「ゼネコンがつくったしおゼリー」が人気
意外なところでは、大阪の総合建設会社・三和建設が開発した「ゼネコンがつくったしおゼリー」のブースが大きな人気を集めていた。
過酷な建設現場を知り尽くしたゼネコンが現場の声をもとに開発したというストーリーが、テレビをはじめ各メディアに取り上げられ、今年の販売本数は生産計画の150万本に6月末時点で早くも到達したという。摂取しやすいスティックタイプとすっきりした味わいが、子どもから高齢者まで幅広い層に受け入れられている。
プラスチック成型メーカーのMIクリエーションズの「アイスストロング」は、プラスチック製の容器に水を入れ、凍らせて首に巻き付けるだけのシンプルな“冷却デバイス”。プロ野球・阪神タイガースの投手がイニングの合間にベンチで使用する様子がテレビで放映され、「子どものスポーツの現場で多く使用いただいている」と担当者は顔をほころばせる。

「頭部」の冷却もさまざまなアイデア商品が並ぶ。兵庫県の老舗帽子メーカー・日本真田帽子は、4層構造の遮熱・断熱生地と3つの保冷剤で究極の涼感を実現した「極寒保冷帽子-GOKKAN-」を展示していた。
OEM(相手先ブランドでの生産)を中心とするアパレルメーカーのシゲマツが開発した新素材「コカゲル」は、車のボンネットに敷く遮熱シートと同機能の遮熱素材。これを帽子の内側に織り込むことで、約マイナス10℃の温度差効果とUVカット、近赤外線カットを同時に実現した。自社ブランドのほか、「ユナイテッドアローズ」など大手セレクトショップへも卸している。
今年の猛暑対策展を歩いてみて、熱中症対策が「個人の努力」から「企業がテクノロジーとインフラによって解決すべきもの」へと完全にシフトした印象を受けた。従業員の健康を守る「健康経営」の文脈でも、猛暑で事業を止めないためのBCP(業務継続計画)の文脈でも、経営課題としての優先度が増しているといえるだろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら