日本IBMに久々の外国人社長就任、経営不振・賠償判決による橋本社長の引責は否定
--日本IBMが持つ課題とは。
イェッター氏 世界の成熟市場の国々と日本の課題は、ほとんど変わらない。産業は発展し教育も行き渡っているが景気が悪い。私が4年間社長を務めたドイツも例外ではない。今後、天然資源の乏しい日本のような国で経済的成長を遂げるには、国境にとらわれずグローバルにイノベーションをする必要がある。
自動車業界を例にとると、トヨタ、ホンダ、BMWいずれのメーカーも加工や組み立て、サプライチェーンまでもグローバル規模で行い、アジアやアメリカなどさまざまな地域の人材を活用している。
米IBMはすでに10年前からグローバル化に取り組んできた。IBM自身がグローバルに人材を活用することで、顧客にもグローバル化した一流企業になる“旅路”を歩くお手伝いすることができるからだ。今後は日本IBMにもグローバル人材を積極的に投入していきたい。マーケットに必要な人材を投入することがビジネスを伸ばすポイントになる。
--日本IBMに米IBMの社長が就任することは自然な流れと考えて良いのか。
イェッター氏 自然な流れと考えて欲しい。たとえばドイツ銀行を見てもトップはドイツ人でない。米IBMは170カ国に展開しており、従業員の国籍は非常にカラフルだ。今後も人材活用をグローバルにやっていかないといけない。
--ドイツIBM社長時の功績は。
イェッター氏 ドイツIBMでは組織改革や事務所の統廃合、クラウド事業の強化や年金制度の刷新を行った。日本IBMでも顧客を第一に考えて価値を提供していきたい。チャレンジに立ち向かっていくことを楽しみにしている。
(島田知穂 =東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら