人間的で洞察に富んだ応答が文章の質を高めるClaude 4の「Constitutional AIアプローチ」が、他の生成AIと一線を画す理由

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推論能力の高度化:Chain-of-Thought(思考の連鎖)による推論機能が標準で組み込まれている。また思考連鎖の深さも選択でき、複雑な論理展開や多角的な分析がディープリサーチなどの調査エージェントを用いなくとも可能だ。OpenAI o3/o4-miniなどと似た振る舞いだが、存在しない情報を創造するハルシネーションが強めに出るため取り扱いに注意が必要だが、それを抑えるためのプロンプトを活用することで抑制もできる。

実践的に複数AIを使いこなすプロセスを考える

多数の生成AIを使っていると、単一のAIモデルに限界があることも強く感じる。それぞれの開発方針によって特徴があるためだ。しかし特徴に違いがあるなら、組み合わせることで効率性や出力成果の品質を上げることもできる。

いわば「マルチAI戦略」といったところだが、各ツールの強みを最適に組み合わせることで、自分の業務にフィットした使いこなしのプロセスを考えるといい。将来的には、使いこなしそのものが不要になるだろうが、現時点では積極的に使いこなすことが、費用対効果の面でも有利だ。

参考までに筆者の最近の原稿執筆プロセスを紹介しよう。

1:情報収集と構造化(Google NotebookLM)

Googleが2024年12月にリリースしたNotebookLMの最新アップデートは、マルチモーダル情報処理において画期的な進歩を遂げている。音声データやYouTubeリンクを資料としておき、いずれも音声認識をかけて背景資料にできる。PDFやスプレッドシート、画像データからの情報抽出も格段に向上している。筆者の場合、以下のようなデータをアップロードする。

NotebookLMはたくさんの詳細な資料をまとめ、視点をプロンプトで指定することで任意の切り口の情報を簡単に引き出せる(画像:筆者提供)
・長時間の取材(会議)録音データやカンファレンスセッションなどの音声データ
・あらゆる関連資料、マーケティング、技術詳細、スペックシートなどの電子文書
・参考となる信頼できる資料へのURL
このように特定領域の情報をインプットしておき、収集した情報を網羅的な文章として生成させる。生成させるためのプロンプトは自由だが、
・重複する情報についてはまとめた上で、情報を省略しないこと
・関連性が不明確な情報は片方を選択的にレポートするのではなく、両方を記述した上でその関係性について記述すること
・含まれている情報は省略しない一方、論旨は丁寧に説明を重ねること
などの指示を筆者は行い、集めた雑多な情報を整理し、構造化した文書として出力させている。ここで出力させるのはClaude 4に与える材料だ。
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