集会の晩、社員たちの飲み会で「誰が被害者なのか」が話題となり、被害者が自分であると知れ渡ったことが、鈴木さんの耳にもすぐに入った。集会を境に鈴木さんの職場環境は一変する。これまで仕事の相談をしていた同僚の男性からは「関わりたくない」と言われたという。
近年、「セカンドハラスメント」という言葉が注目を集めている。明確な定義はないが、ハラスメント被害を申告したことで被害者が責められたり、嫌がらせを受けることを指す。
会社の相談窓口などにセクハラ被害を相談した際、「あなたにも何か問題があったのではないか」「あの人(加害者)に悪気はなかったのではないか」「証拠がないからね」などと心ない言葉をかけられる。あるいは被害を申告した側が意に反して異動させられることも該当する。
鈴木さんも被害を申告したとき、担当者から「なぜ自分だけこうなったと思う?」「鈴木さんには隙があるから」などと言われた。このままでは対応してもらえないと考えた鈴木さんは、これまで受けてきたセクハラを書面にまとめて担当者に渡した。
その甲斐あって、会社側はセクハラ行為を認定し、加害者2人から謝罪を受けた。しかし全社集会を経て状況は様変わりした。
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