暴言・課金・けんか…子どものゲーム問題どう解決?「やめなさい」は逆効果な訳 必要なのは感情を否定しない「対処スキル」

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③ 暴言や高額課金の行く末を考えてみる
私が日頃行っているカウンセリングでは、暴言や高額課金といった行動が、長期的にどのような結果になるかを子どもと一緒に考えます。そうした行動の結果、一時的に気分がスッキリしても、長期的には一緒にプレイする友人との人間関係や生活面、経済面で不利益が生じることを理解することで、子ども自身が行動を見直すきっかけとなります。
④ 「代わりの行動」の提案や練習
もう1つ大切なことは、怒りを感じたときや課金をしたくなったときに、具体的にどのような「代わりの行動」をとるかを一緒に考えること。ダメだとわかっていてもやってしまうのは、その代わりとなる健全な行動が獲得できていないために起こることがあります。
例えば、イライラしていることに気付いたら深呼吸をしてみる、攻撃的な言葉ではなく「これが嫌だ」「悲しい」という言葉を使って表現するなどその場に応じた別の方法を具体的に練習しておくと再発防止につながります。

ゲームを通じた暴言や課金トラブルの背景には、感情や欲求のコントロール機能が未成熟であること、適切なスキルがまだ獲得できていないことが挙げられます。

保護者や教員のみなさんは、「やめさせる」ことに焦点を当てるのではなく、子どもの感情と向き合って行動の背景を理解し、子どもとともに「どう対処すればよいか」を考えてみてください。

デジタル時代を生きる子どもたちにとって、ゲームとの付き合い方を学ぶことは、セルフコントロール力を育てる大切な機会といえるでしょう。

※参照元:日比野 桂, 湯川 進太郎, 小玉 正博, 吉田 富二雄(2005).中学生における怒り表出行動とその抑制要因─自己愛と規範の観点から─ 心理学研究,76(5), 417- 425.

(注記のない写真:freeangle / PIXTA)

執筆:ネット・ゲーム依存予防回復支援サービスMIRA-i(ミライ)所長 森山 沙耶
東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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