暴言・課金・けんか…子どものゲーム問題どう解決?「やめなさい」は逆効果な訳 必要なのは感情を否定しない「対処スキル」

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また、「怒ってはいけない」という言葉は、「怒りという感情そのものを抱いてはいけない」という誤ったメッセージとして受け取られてしまうこともあるため、感情を否定するのではなく、適切な対処方法を身につけていくことが重要です。

ガチャ課金も同様に、レアなアイテムが当たるかもしれないという期待感や、ギャンブル的な「もう一度引けば当たるかも」という心理が強く働きます。このため、「もうやめなさい」という指示だけでは子どもの気持ちは収まらず、再びガチャを引いてしまうことも。

叱責を重ねるだけで問題が解決されないと、次第に「どうせ自分にはやめられない」などと子どもが自信を失っていくことにつながってしまいます。

トラブルを予防するために家庭や学校でできること

思春期の子どもは、脳の発達の影響もあり、感情や衝動のコントロールが難しい時期です。刺激の強いゲームやガチャに抗うのは大人でも難しい場合があります。だからこそ、子ども任せにせず、家庭や学校で丁寧に関わることが大切です。

ポイントは、ゲームに対する欲求や怒りといった感情そのものを否定するのではなく、それらへの対処スキルを育てていくことです。具体的には以下のようなアプローチが考えられます。

① 感情や欲求のレベルを下げる工夫をする
強い欲求や感情に支配されているとき、冷静に対処するのは困難です。例えば、長時間ゲームを続けていると疲れてきて、イライラしやすくなったり、ガチャの誘惑に引かれやすかったりするのであれば、1時間経ったらゲームをやめるか、別の活動を挟むようにするといいでしょう。
また、例えばシューティングゲームをする場合でも、より落ち着いてできる刺激の弱いゲームを選択する、あるいはオンライン上の見知らぬ人よりもリアルの友達とプレイするなど、プレイする環境を調整することも有効です。
② 感情に対する言語化と代替行動の提案
中学生の怒りの抑制要因に関する先行研究によると、「自分の気持ちを言葉で表現できること」が怒りのコントロールに有効であるとされています。
「私は今、このようなことで怒っている」とか「ガチャを引きたい誘惑に駆られている」というように自分の気持ちを客観的に見つめることで、その感情と距離をとりやすくなります。保護者や教師は、「今こういう気持ちなんだね」と気持ちを代弁し、言語化をサポートすることができるでしょう。
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