――ispaceは月面着陸のリスクをヘッジするために「月保険」をかけています。しかし、着陸の成否でペイロード収入はほとんど影響を受けません。実際「1」では失敗による減収影響は約1億円でした。一方、38億円弱の保険金収入により、業績にはむしろプラスとなりました。
まず、月保険は実際の損害額に紐づく設計にはなっていない。宇宙ビジネス自体が草創期で、ミッションはR&D(研究開発)というタイミング。そうした中での保険は、会社の継続性を維持するためにあるものだと思っている。
失敗による直接的な減収影響は小さくとも、中長期で見れば色々な影響が想定される。われわれは大きな開発費の負担をカバーできるだけの事業キャッシュを、まだ潤沢に安定的に出せる状況ではない。
失敗すれば、事業キャッシュがより不安定になることもありうる。借り入れや投資家からの増資を継続的に獲得していく必要もあるが、その獲得が不透明になるかもしれない。そうしたリスクに対して、保険で支えていただいている。
この記事は有料会員限定です。
(残り 1910文字 です)
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら