面白そうに振る舞える聞き手になれればいい--『聞く力』を書いた阿川佐和子氏(作家、タレント)に聞く

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──聞き手より話し手になりたくありませんか。

人は自分のことを大いに話したいものだ。実は聞き役はけっこう根性がいる。東海林さだおさんがたしか「人の話の90%は不満や悪口、自慢だ」と言っていた。自分では自慢話をしているつもりはないが、人が聞いたら、自慢をさりげなく織り込んだり、何となくにおわしたりしている話は多い。それは自慢だけでなく不満や悪口の話と置き換えてもいい。

人の話、たとえばおばあさんの話、父親の小言を聞くのはつらい。だが、ひと月に一日、聞き役に徹してみるのもいい。そうすると、いろいろと新しい発見ができる。

あがわ・さわこ
1953年東京都生まれ。慶応義塾大学文学部西洋史学科を卒業。81年「朝のホットライン」のリポーターを皮切りにテレビ番組のMCアシスタント、キャスター、レギュラーを務める。93年に『週刊文春』で対談連載を開始。著書に『ああ言えばこう食う』(檀ふみ氏と共著)、『ウメ子』『婚約のあとで』など。

(聞き手:塚田紀史 撮影:鈴木紳平 =週刊東洋経済2012年3月3日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


『聞く力』 文春新書 840円 253ページ


  
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