DIC「美術館」は生き残るのか、すべて換金して株主が山分けか?株主総会を前にファンドが「美術館の生みの親」である創業家との関係を問題視
美術館とそのコレクションは評価が高く、存続を求める署名も寄せられた。運営をやめて売り払えば企業イメージが損なわれる。とはいえ、経営の観点からは今の形を維持するわけにいかなかった。
DICが最終決算の赤字見通しを公表した1カ月後、アクティビスト(物言う株主)である香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」が株式の6.9%を保有していることが判明。11.53%まで段階的に買い増してきた。
DICは赤字決算の発表と同時に「長期的な企業価値の向上に資する外部の視点から取締役会に助言することを目的」にする、社外取締役、社外有識者からなる価値共創委員会の設置を告知。その委員会がまず俎上に載せたのが美術館運営だったことにDICの警戒感が見て取れる。
美術品を売って得る現金は株主へ
それもそのはず、1990年の開館以来、運営は毎年数億円の赤字である一方、美術品は簿価112億円、時価はそれをはるかに上回ると目される。美術品の価値算定は一筋縄ではいかないが、オアシスは報道を基に「少なくとも約1000億円」との数字を示す。
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