走りに加え、GTIでもうひとついいところは、内装だ。適度にスポーティ、かつ1975年の初代GTI以来から、いまにいたるヘリティッジをうまく活かしたデザインがしゃれている。
とりわけフロントシート。初代GTIで使われたチェック柄のファブリックをアイコン的に使うとともに、やはり初代のフロントグリルに使われた赤いラインの現代的解釈である赤色を各所に使用する。


たとえば、ステアリングホイールのステッチは赤だし、私が乗った車両ではシートの側面にも赤が配されていた。これが実にスポーティで、GTIに強い思い入れを持っていなかったとしても好きになれるだろう。
強烈な加速のTDI 4MOTION
「TDI 4MOTION」は、フォルクスワーゲンがこのところ力を入れている、いわゆるクリーンディーゼルのモデルだ。ダブルドージングといって、排ガスに含まれる窒素酸化物を無害化するのに、尿素を使う工程を以前の1回から2回に増やしている。
1968ccの4気筒ターボディーゼルエンジンは、最高出力110kW、最大トルク360Nmでもって、前後輪を駆動する。ゴルフで4輪駆動を選ぶなら(このあと登場するゴルフRを除いて)TDI 4MOTIONが唯一の選択だ。
私が乗ったのは、ハッチバックより50mm長い2670mmのホイールベースを持つヴァリアント。仕様は、仕立てがスポーティな「R-Line」だ。

印象的だったのは、エンジントルクの太さ。ディーゼルエンジンの特性は、そもそも低回転域での太いトルクにあるけれど、このTDI 4MOTIONはアクセルペダルが軽めであり、ちょっと右足に力を入れただけで強烈な加速が得られる。
個人的には、アクセルペダルの重さはもう少し調整が必要かなと思うものの、この感覚が好きだという人がいても不思議ではない。足まわりの設定も硬めで、慣れてしまえば、機敏に走り回れるのもメリットだろう。
エンジン音が大きめなことと、18インチ径のロードホイールと組み合わされた扁平率40%のブリヂストン「TURANZA(トランザ)」のタイヤノイズが車内によく聞こえてくるのは、やや質感を削ぐようで残念な点だ。
実は今回のゴルフ8.5で、個人的にもっとも気に入ったのは、マイルドハイブリッドのeTSIだ。

1497ccの4気筒ターボエンジンにマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた、前輪駆動モデルだ。
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