残念ながら、上記のような事例はそう珍しくもありません。対応にあたる現場の教職員も大変です。もちろん、常に大学側が正しいとは限りません。
例えば「卒論指導の中で教授から高圧的な叱責を受け続け、研究活動に参加できなくなった」なんて相談があったケース。学生が虚偽を述べている可能性も否定はできませんが、アカデミックハラスメントの可能性もあります。本人よりも家族のほうが異常に気づくことはありますので、問い合わせ自体は悪いことではありません。
とはいえ、教育研究機関としての役割を越える過度な対応を、保護者から求められる場面が増えているのも事実だと思います。大学進学率の上昇、親子関係の変化、ネットやスマホの普及、「お金を払う側は神様」や「言ったもん勝ち」といった風潮など、さまざまな理由が背景にはあるのでしょう。
お客様や消費者ではなく、学習者として扱うことも大切
とくに進級や卒業がかかっている場面では、ルールを逸脱するような要求が出がちのようです。提出物をまったく出しておらず、出席もほぼゼロ、何度も教員から連絡をしたのに返事はなし……など明らかに本人に問題がある場合でも、教員や大学が悪いと主張されるケースも。最近では断ると「訴えるぞ」「SNSで拡散するぞ」と言われることもあるようです。
理不尽な要求に対しては、大学側は毅然とした対応をすべきです。とくに「SNSで拡散するぞ」に屈して成績を甘くつけるような対応は危険です。もし「クレームを入れたら卒業させてくれた」なんて投稿がSNSに流れれば、それこそ大学の信用は地に落ちるでしょう(保護者の方も、このような交渉はむしろ逆効果だと知ってください)。
大学側にも落ち度があったと考えるのなら相応の謝罪や反省、改善も必要ですが、対応に問題がないと自信を持っているのなら、真摯にその説明をすればよいはずです。
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