退路を断ったほうが勝てると自分を励ます--『私が弁護士になるまで』を書いた菊間千乃氏(弁護士)に聞く

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退路を断ったほうが勝てると自分を励ます--『私が弁護士になるまで』を書いた菊間千乃氏(弁護士)に聞く

アナウンサーという花形職業に見切りをつけ、30代で司法試験に挑戦。2回目のトライアルで合格した「奮戦記」が話題を呼んでいる。

──よく勉強し、よく泣き、よく飲む、「明朗闊達な人」という印象ですが。

お酒は強くない。飲んでいる最中に寝てしまう。でも、友達といるのが好きなので、飲みに誘われたら参加する。ただし、司法試験の勉強中はそれも断った。

──1日15時間、勉強の毎日の2年半だった……。

驚く方が多いが、司法試験を受ける人たちには当たり前のこと。お世話になったさる高名な裁判官から、もう30年以上前のことだが、自分が懸命に勉強していた頃を思い出し、初心を忘れず裁判官としていい形で終わりたい由の読後感をいただいた。今も昔も15時間程度の受験勉強は決して珍しくない。むしろ、それ以上しなければ受からない。

──よく耐えましたね。

いい仲間に恵まれたからできた。いつも誰かが横に座って勉強していて、自分だけやめるわけにはいかなかった。学校から自転車で5分のところに住んで、あとはずっと座っているだけの生活。とにかく時間がもったいない。歩いているときも法律関連の何かを聞いている。勉強中に法律以外の活字を読んだことはない。試験が終わって、久しぶりに一般の雑誌を読んで感動した。こんなに簡単に読めるものなのかと。いわば修行の世界だった。

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