貨物列車の運転席「同乗取材」で見た乗務のリアル 青函トンネル通る、JRの長大編成コンテナ列車

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EH800 運転台 竜飛定点通過
青函トンネル内を走る貨物列車の運転台から見た風景。竜飛定点(旧竜飛海底駅)を通過する(記者撮影)

貨物列車が青函トンネルに突入し、闇の中を進んでいくと、小さな明るい光が遠くに見えた。対向列車のヘッドランプではない。 光はぐんぐん接近し、運転台の窓いっぱいに広がった。まるで宇宙船が敵の秘密基地内を疾走するSF映画のようだ。

ここは竜飛定点と呼ばれる保守・避難施設。かつての竜飛海底駅である。蛍光灯の灯りがトンネル全体を明るく照らしている。人が降り立つことのないホームを貨物列車はノンストップで通過した。

貨物列車の運転に密着

日本を6つのエリアに分割して運営するJR旅客会社と異なり、JR貨物は北海道から鹿児島まで全国が守備範囲だ。

長距離列車の運転士にはどんな苦労があるのだろう。とくに北海道だ。北海道産のタマネギを全国に輸送する際の鉄道貨物のシェアは64%、北海道着の宅配便に占める鉄道貨物のシェアは20〜30%。北海道の物流にとってJR貨物は欠かせない存在だ。上下合わせて1日約40本の貨物列車が青函トンネル内を行き来する。

【写真】青函トンネルを通って札幌へ向かう貨物列車の機関車「EH800形」の運転台に同乗取材。暗闇のトンネル内に延びる線路やコンテナ貨物列車とのすれ違いなど通常は見られない視点からの風景

極寒の北海道での走行は過酷だ。前が見えないほどの吹雪もあれば、鹿や熊に衝突することもある。機関車と20両の貨車を合わせると長さは425m。これほどの長大編成をたった1人で運ぶ責任感とはどのようなものだろう。貨物列車と旅客列車の運転に違いはあるのか。運転室の中は寒いのか、暖かいのか。

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大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げ。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に定年退職後の現在は鉄道業界を中心に社内外の媒体で執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京交通短期大学特別教養講座講師。休日は東京都観光ボランティアとしても活動。

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