若者層に大流行の「MBTI」に誤解?「16Personalities」過信は人生の選択狭める 公開情報少なく、結果の信憑性の有無は不透明

(写真:イメージ、ささみだいすき / PIXTA)
では、16Personaritiesにはどの程度の信憑性があるのだろうか。
「信憑性があるかないか、それすら不明というのが答えです。無料で受けられる診断は、広
一方で、例えば遺伝子検査や出生前診断は有料ですよね。人生が左右されるような診断は、専門家の監修でコストをかけて行われます。心理学に基づく検査も同様で、本来は臨床心理士や公認心理士のもとで受けます。本人にとって非常につらい結果が出た場合や、社会的な支援を受ける必要が出てきた場合、専門家のもとで対応しなければならないからです」
実際、公式の日本MBTI協会では、有料セッションを提供している。MBTIのメソッドは、自分の内面と深く向き合う過程を経るため、自身の嫌な面にも目を向けなければならない。そのため、子どもにとってはむしろ悪影響となるリスクもあり、日本では18歳以上の受講が推奨されている。
ところが、16Personaritiesを提供するNERIS Analytics Limited社は、日本語でのサポートに対応しておらず、診断結果に関連して何かがあっても「アフターフォロー等を求めることは難しい」と小塩氏は続ける。
ネットの「あるある」や「ランキング」にはエビデンスがない
16Personalitiesがここまで浸透したきっかけは、K-POPアーティストがYouTubeで自身の結果をシェアしたことだとされる。ファンや視聴者が「自分はどうなのだろう」と興味を持ち、若年層の間で急速に爆発的に広まった。
ここで思い出したいのが、かつて日本で大ブームした“血液型性格診断”だ。現在では科学的根拠が否定されており下火だが、その代替として16Personalitiesがきれいに“ハマった”かたちだと小塩氏は分析する。