『侍女の物語』の舞台であるギレアデ共和国は、社会の隅々まで監視の〈目〉が張り巡らされた全体主義国家だ。共和国では、出生率の著しい低下が目下の悩みとなっており、対策として、支配階層である司令官の妻を除き、妊娠可能な女性は「侍女」として国家に管理され、司令官との定期的な性交を強制されている。
司令官の妻は、自分で子どもを産めない場合、夫と侍女との性交を許容し、さらには協力しなければならない。妊娠できない女性は〈不完全女性〉の烙印を押され、放射能に汚染された〈コロニー〉に送られる。子どもを産めるかどうかが、女性の価値を絶対的に決める社会なのだ。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら