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リクルートの買収先が驚いた"規格外"な経営手法 IndeedのCEOが語る「出木場氏から学んだこと」

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Chris Hyams(クリス・ハイムス)/2010年にプロダクト担当バイスプレジデントとしてIndeedに入社。2015年にプレジデント就任、収益力向上とクライアントサクセス領域担当。2019年4月にCEO就任(写真:リクルートHD)

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「仕事探しはインディード~♪」
こんなCMソングで知られる求人検索サイトIndeed(インディード)は、リクルートホールディングス(HD)の子会社だ。2012年の買収当時に80億円ほどだった売上高は、2024年3月期には70億ドル(約1.1兆円、HRテクノロジー事業)へ拡大。今ではリクルートHDの利益の過半を占める柱となった。
アメリカで創業したインディードだが、現在は60カ国以上、28言語で展開。5.8億万件のユーザープロフィール登録と350万社の企業クライアントを抱える、世界No.1の求人プラットフォームとなっている。
創業期からのメンバーで現在CEOを務めるクリス・ハイムス氏に、リクルート買収後の変化や今後のビジョンについて書面インタビューを行った。

リクルートの手法は予想と違った

――インディードがリクルートに買収されたとき、どのように受け止めましたか。

2012年に私たちが買収された当時、リクルートはアメリカではほとんど知られていなかった。私は「これで楽しい時代は終わりかな」と言った1人だった。統計的に見ても、買収の大半はうまくいかないものだ。しかし、(買収を主導した)Deko(リクルートHDの出木場久征社長兼CEO)のアプローチは、通常の予想とはまったく異なるものだった。

一般的には、買収する側が自分たちのやり方を押し付けるものだが、リクルートの場合は逆だった。Dekoは、リクルートの目的が「インディードの成功」と「インディードから学ぶこと」であると明確に伝え、安心感のある環境を作り出した。

Dekoはこうも言った。「リクルートのことを気にする必要はないし、理解する必要もない。ただインディードに集中してほしい」。 インディードが成長し、12年前に在籍していたチームの多くが今も会社に残っていることは、リクルートがどれほど子会社に自律性を与えているかの証しだ。

リクルートとの最初のミーティングで、私たちはリクルートの豊かな歴史からすぐに恩恵を受けた。創業8年目を迎えていた西洋のテクノロジー企業が、当時は創業52年、現在では64年の経験を持つ日本企業の知見を活用することはなかなかできないものだ。リクルートは数十年単位で物事を考える。リクルートは自らの再構築を繰り返し、今も成長し続けている。

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