列車の「魅力度」は負けない、栃木ご当地鉄道事情 新幹線に東武特急、どれに乗っていくか迷う?

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在来線のJR東北本線とほとんど並んで走る東北新幹線は、栃木県内に3つの駅を持つ。1つは、まだまだ関東平野の真ん中の小山駅。東にJR水戸線、西にJR両毛線が分かれる要衝のターミナルだ。

市街地の西の思川沿いではかつて徳川家康が従う武将とともに評定を開き、石田三成挙兵への対処を決めた“小山評定”の舞台になったという。要衝の地であることは、いまも昔も変わらない、ということか。

さて、小山駅から水戸線に乗れば筑波山塊の北を抜けて友部駅でJR常磐線に合流し、茨城県都の水戸に直通する列車も走る。小山駅のお隣の小田林駅からが茨城県だが、下館駅から北に延びる真岡鉄道はほどなく県境を跨いで栃木県内に戻ってくる。久下田駅から終点の茂木駅までは、すべて栃木県内の駅である。

意外な要衝?小山駅

いっぽうの両毛線は、その名の通り両毛地域を横断する東西の大動脈。栃木県内では栃木市や佐野市、足利市などを経て群馬県に入る。それらのターミナルでは東武鉄道の各路線と接続しているのも両毛線の特徴だ。

意外な要衝のターミナル・小山駅の次は、県都のターミナル・宇都宮。ここから分かれているのは天下の日光に向かうJR日光線。私鉄の日本鉄道によって開業したのは1890年と大変古い。それまで、宇都宮から人力車で5時間もかけて日光にたどり着いていた外国人たちは、日光線の登場でだいぶ救われたに違いない。

そして、奥日光を含めた日光のリゾート地としての発展に、日光線がどれだけ貢献したか。いまでは特急も急行も走っておらず、ローカル色が強い路線になってしまったが、歴史的な功績は色あせない。

JR日光線
東武日光線の後塵を拝するJR日光線。単線ローカルの趣が濃いが、日光の観光都市化への功績は大きい(撮影:鼠入昌史)
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