ディズニーの「大規模イベント」に見た2つの戦略 会場には韓国からの有名スターも続々参加

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

この2日間の本イベントを通して、ディズニーが明確に示したポイントが2つある。

ひとつ目は、劇場公開を軸にしたシリーズ大作の続編の全世界配給と、そのスピンオフ版のドラマシリーズをディズニープラスで世界配信し、収益の2本柱とすること。そしてアジアをはじめとしたローカル発オリジナルコンテンツからの世界的ヒット創出による、3つ目の柱を早期に確立させようとしていることだ。

シリーズ大作の世界配給と、アジアローカル発のグローバル配信の両輪で、ディズニーが世界市場で成長を続けていく。それがいま同社が目指す世界観であることを示した。

そして、もうひとつのポイントは、ディズニープラスにおけるアジアを重視したオリジナルコンテンツ拡充への投資において、その主役が韓国であることだ。

これには、昨年アメリカ以外で制作されたディズニープラス配信作品のなかで、視聴回数に基づく指標でエンゲージメントの高かったトップ15のうち、9作品を韓国ドラマが占めていた背景がある。

ディズニー
ファンの大歓声を受けるキム・スヒョン(写真提供:DCS2024)

今回のコンベンションで、プレスカンファレンスが設けられたのは、前述の韓国ドラマの新作6本のみ。登壇ゲストも、日本からはショーケースの3人のみだったが、韓国からはキャスト、監督、クリエイターを含めて総勢20人。さらに、この6作以外の新作のスター俳優たちからのビデオメッセージもあった。

招待メディア関係者の数でも韓国は150人ほどと最大。ディズニーのアジアにおけるトッププライオリティが韓国であることが如実に伝わってきたイベントでもあった。

アジアの主力は韓国ドラマと日本アニメ

そのなかで、世界の支持を受ける日本アニメから、『ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション』のような、世界規模の新たなシリーズ創出を目指す野心的なコンテンツ制作が発表されたのは、注目すべき点だろう。

韓国ドラマと日本アニメ。この2つがディズニーアジア戦略の主力に位置づけられているのだ。

では、日本ドラマはどうか。昨年の実績では韓国ドラマに水を開けられているが、昨今では日本語がメインになる『SHOGUN 将軍』が『第76回エミー賞』でディズニー作品として歴史的な快挙を成し遂げたほか、『ガンニバル シーズン2』はディズニープラスのアジアオリジナル作品として初のシリーズ続編となるなど、日本題材や日本クリエティブへの追い風が吹いている。

ディズニー
ウォルト・ディズニーのアジアメディア向けコンベンション『ディズニー・コンテンツ・ショーケース APAC 2024』会場の様子(筆者撮影)
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事