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大蔵省のお膳立て?首相、総裁の繊細、微妙な関係 大平正芳首相・前川春雄日銀総裁会談の全貌⑤

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長岡実・元大蔵事務次官
歴史的会談の「脚本」を書いたとみられる長岡実・元大蔵事務次官(写真:時事)

前号まで4回にわたり、1980年2月の公定歩合引き上げをめぐる政府と日本銀行との駆け引きの詳細を伝えてきた。今週はこのドラマの“秘話”と、金融政策における「首相と総裁の関係」について考えてみよう。

前川春雄はその後、名総裁と呼ばれるようになった。確かに、辞任覚悟で難局を突破した前川の胆力と行動力は見事というしかなく、無私無欲で知られた前川だからこそ実現できたのは間違いない。だが、後に開示された当局の資料を調べていくと、このドラマの脚本を書いたのは実は大蔵省だったのではないか、という疑念が浮かび上がってくる。

当時、事務次官を務め、後に「大蔵省のドン」と呼ばれた長岡実(のち東京証券取引所理事長)は退官後の83年、同省のオーラルヒストリー・インタビューで次のように語っている。

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