ホリプロ非上場化の真意、創業家が完全支配へ

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ここ数年、ホリプロの営業利益は10億~20億円台で推移している。NHK大河ドラマでは、所属する松山ケンイチが今年主役を演じ、来年は綾瀬はるかに決定。和田アキ子など有名タレントを多く抱え、経営は安定しているように見える。

だが、エンタメ業界全体に目を向けると寒風が吹き荒れる。音楽市場は縮小が続き、テレビ番組の制作本数も減少傾向。ネットで音楽や映像を無料で楽しめるようになり、若い世代を中心にコンテンツに支払う金額は減る一方だ。

堀社長は「テレビ局や演劇制作会社からの仕事を待っているだけではダメ。遅いかもしれないが、海外展開を強化する」と危機感をあらわにする。今後は外国語ができるタレントを育成し、ネット事業を拡大するという。「上場していると株主の目もあり、萎縮する部分もある。創業家がリスクをとって、大胆にチャレンジすることが必要」。

創業者が「芸能界をヤクザな虚業でなく、一般企業として社会に認めさせたい」と目標を掲げ、上場してから23年。ホリプロは株式市場から姿を消し、新たな成長機会を探る。

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(前田佳子 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年1月7日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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