石破首相が提唱「アジア版NATO」は実現可能か? 現実に独裁国家が核の力で現状変更を考えている

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③あと大事なこと。……戦争と安全保障について、その歴史や現状を学ぶこと。

核戦争は、いまここにある可能性である。それが現実にならないためには、各国の指導者や、専門家や、軍人はもちろん、一般の人びとが正しい知識と関心をもち、賢明に適切に行動する必要がある。賢明に適切に行動することを、自分たちの誇りとしよう。

④最後に大事なこと。…人類の未来を信じ、未来の世代に責任を持とう。

過去の世代が犠牲を払ったおかげで、現在がある。現在を生きる人びとは、未来の世代に責任がある。人類の未来を台無しにしないように、現在できることに知恵をしぼろう。

核兵器を開発している独裁国家が日本のすぐそばに

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東アジアは不安定な地域だ。日本のすぐそばに、権威主義的な独裁国家があって、核兵器を開発し、その威力によって現状を変更することを考えている。話し合いで解決がつく相手ではない。隣人は選べない。日本の人びとが望んだことではなくても、これが現実である。

日本の安全を守るために、自衛隊があり、日米安全保障条約がある。だが、それが万全でないことがはっきりしてきた。ひとりでも多くの皆さんが、安全保障について考えを深めていただけるように望んでいる。

橋爪 大三郎 社会学者、大学院大学至善館特命教授

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はしづめ・だいさぶろう / Daizaburo Hashizume

1948年神奈川県生まれ。大学院大学至善館特命教授。『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『皇国日本とアメリカ大権』(筑摩選書)、『中国VSアメリカ』(河出新書)など著書多数。共著に『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書、新書大賞2012を受賞)、『おどろきの中国』(講談社現代新書)、『一神教と戦争』(集英社新書)など。

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