最新ハーレーがスポーティ路線に舵を切った理由 「ストリートグライド/ローライダーS」試乗記

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真っすぐの道をまったりと走る、という今までのハーレーのイメージを一新する「ローライダーS」の豪快でスポーツティな走り
真っすぐの道をまったりと走る、という今までのハーレーのイメージを一新する「ローライダーS」の豪快でスポーツティな走り(写真:Harley Davidson)

一方のローライダーSは、ハーレー伝統のロー&ロングな車体とスタイリッシュな造形が特徴の“走り”のモデルである。

ローライダーの歴史は1977年にさかのぼる。創業一族のウィリー・G・ダビッドソンが設計した初代ローライダーは、走行性能を重視したシャーシに当時のビッグツインエンジンを搭載、70年代のチョッパーを思わせるアウトロー的な雰囲気も手伝って大ヒット。

ただ道を流しているだけで最高の気分。60年代に流行したチョッパーに源流を持つフリーダムな精神は今も息づいている
ただ道を流しているだけで最高の気分。60年代に流行したチョッパーに源流を持つフリーダムな精神は今も息づいている(写真:Harley Davidson)

ちなみにチョッパーとは、かの有名なハーレー乗りのバイブル的映画「イージー・ライダー」に出てくるような“そぎ落とし系”のカスタムのこと。その意味でノスタルジックな感情を呼び起こすモデルでもあった。今日にいたるロングセラーモデルとなったローライダーに転機が訪れたのが2017年。現代的なフレーム構造を持った「ソフテイルファミリー」に統合された新世代マシンとして一大リニューアルを敢行。エンジンには新設計の「ミルウォーキーエイト」が採用され、空冷・OHVという伝統的な機構を守りつつも性能を大幅に向上した。

アメリカンスポーツの王道

現代の米国西海岸から広まったクラブスタイルにインスパイアされたカスタムマインド溢れる造形美が光る
現代のアメリカ西海岸から広まったクラブスタイルにインスパイアされたカスタムマインド溢れる造形美が光る(写真:Harley Davidson)

その由緒あるローライダーをベースに、さらに走りの性能とスタイルに磨きをかけた上級版として登場したのが「ローライダーS」である。2020年には新型ソフテイル版として復活。アメリカ西海岸のカスタムシーンで流行りのクラブスタイルに触発された筋肉質でスタイリッシュなデザインを纏い、倒立フォークやドラッグバーを採用するなどパフォーマンスを強調したモデルへと進化。2022年モデルではハーレー史上最大排気量を誇る1923ccの「ミルウォーキーエイト117エンジン」が与えられ、リアショックの延長によりストローク量と地上高が確保されたことでコーナリング性能もさらに向上している。なお、価格は294万5800 円(税込)となっている。

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